遠い昔、サルと人間が今よりも近い種だった時の話ですが、人間にはサルのような尻尾が存在していました。
その名残である「尾てい骨」が今でもあるのですが、いったいどこにあるのでしょうか。
今回は尾てい骨はどの場所かを紹介します。
「尾てい骨の場所はどこ?」…お尻の中心にある平べったい骨「仙骨」のすぐ下です
尾てい骨のある場所は、お尻の中心にある平べったい骨「仙骨」のすぐ下です。
おしりの割れ目から腰側の方へ指をうごかしていくと、くすぐったく感じる骨があると思いますがその辺が尾てい骨です。
もともと3~5個あった「尾椎」とよばれる骨で、人間ではほとんど痕跡的にしかのこっておらず、ひとつにまとまっているのです。
この骨は仙骨と共に骨盤の中心部を形成する骨であり、そのものの可動性はありませんが、身体の傾きを変えるときなどに仙骨にくっついて一緒に動きます。
長時間座っているとおしりが痛くなるのも尾てい骨が原因
また、尻餅をついた後や長時間座った後などに、お尻の真ん中から下付近の場所に痛みが出ることもあります。この痛みの原因も尾てい骨にあります。
通常、座位を維持するときは骨盤の下部にある「坐骨」で体重を受けるのですが、体重がお尻の後ろ側にかかりすぎると、坐骨ではなく尾てい骨で体重を支えることになってしまい、過剰な負荷によって骨の変形や骨周囲の筋疲労・炎症が起こってしまうのです。
また、馬尾腫瘍とよばれる脊髄腫瘍の一種でも、長時間持続し段々増大していく痛みを生じることがあります。
もしもお尻の下側が痛いと思ったら、尾てい骨の存在を思い出し、姿勢改善できる場所はないかどうか一度気にしてみるのも良いと思います。
「姿勢が悪くなっているよー」と痛みでサインを出してくれるのが、尾てい骨なんですね。